TOEICが変わるその②!リーディング変更8つを完全解説

TOEICが2006年の出題形式を変更してから10年目の来年に、出題形式をまた変更する事を発表しました。前回の変更が発表されたとき、TOEICを運営しているETSは難易度に影響はないと言っていましたが、受験されている方はご存知の様に難しくなったと感じている人は多いはずです。

しかも、TOEICで高得点を取るには、リーディングでの高得点がかかせません。多くの受験生が悩むTOEICの難しさはその問題数の多さです。短い間で多くの問題数を解く所にあります。前半のリスニングで良い結果を仮に出せたとしても、後半のリーディングで高得点を出せなければ意味がなくなります。

そんなTOEICで培って来たテストの経験と対策が全く意味がなくなってしまうのか。それともいままでの経験を上手に活かしながら対策を今から準備しておくのかの分かれ道はこの年末にかかっています。これから忘年会や年末の行事で仕事場以外でも忙しくなる前にしっかりと準備をしておきましょう。今回は、リーディングの変更点とその対策を見て行きます。

リーディングの問題形式

問題数は 100問

時間は 75分

45分のリスニングの後に、休憩無しに75分続けて行います。

得点は5〜495点満点

ETSが発表した変更点

  1. 短文穴埋め問題(Part 5)の設問数が減ります。

  2. 長文穴埋め問題(Part 6)の一つの文章に含まれる設問は3問から4問に増えます。

  3. 文書の全体的な構成を理解しているか問う設問が加わります。具体的には、

    (1)長文穴埋め問題で、文書内の空欄に最も適切な一文を選ぶ問題

    (2)読解問題(Part 7)で、文書内に新たな一文を挿入するのに最も適切な箇所を選ぶ問題

  4. テキストメッセージやインスタントメッセージ(チャット)、オンラインチャット形式で複数名がやり取りを行う設問が加わります。

  5. 読解問題で3つの関連する文書を読んで理解する設問が加わります。

  6. 読解問題の設問数(1つの文書、複数の文書)が増えます。

  7. 文書中で書き手が暗示している意図を問う設問が加わります。

http://www.toeic.or.jp/info/2015/i025/i025_01.html

今回の変更点をPart毎に見て行きましょう。

Part 5 短文穴埋め問題 (Incomplete Sentences)

Part 5の問題の特徴は、未完成文章が与えられて、足りない部分を選択肢から選び出すパートです。選択肢は4つあって、そのなかから正しいものを選び出す必要があります。問題の種類は大きく分けて2つ。文法の内容を純粋に聞いている問題と、正しい語彙を選ばせる問題の二種類です。

変更点①

現在40問で200点が、30問で150点に減らされます。

つまり、Part 5は純粋に文法問題でした。確実に取れるパートだったので、点数換算がしやすかったのですが、それが50点も減らされてしまいました。

問題形式は変更点はありません。いままで以上に解答力の精度を上げて満点を目指す必要があります。

新形式での高得点の勉強法

1 品詞分解の能力を高める

Part 5の文法問題で大切なのは、品詞分解の能力です。TOEICテストで時間内に問題を解けきれない受験生の多くが陥る失敗の一つがPart 5で必要以上に時間を費やしてしまう事です。そのためPart 7の読解問題で全ての問題を解く前に時間が終わってしまいます。

純粋な文法問題を解く際に必要な能力は、品詞分解の能力です。言い換えると、穴埋めしる所に必要な品詞の種類を瞬時に見つけ出せる能力が品詞分解です。これは、文章の内容を理解しなくても見つけ出せるので、圧倒的に短い時間で答えにたどり着けるので時間の短縮になります。

品詞分解で必要なのは、その文章の主語と動詞を先ずは見つけ出す事です。文章の中にコンマ(,)がある場合見は分子構文として意識しておく必要があります。それが主語でない可能性が高いからです。後は、動詞の時制にも注意して答えを選択肢から見つけ出せば、答えを短時間で見つけ出せます。

2 語彙力を高める

Part 5 は純粋な文法問題以外に、語彙を問う問題が混ざっています。その際には、文章の内容をしっかりと理解しないと解けない問題になっています。この問題が解けるか解けないかが、高得点を取っている受験者ととそうでない人との分かれ道です。語彙力を高めるには、毎日コツコツと積み重ねて行く努力が必要になります。

3 一問を20秒で解く

2006年の出題形式変更時からよく言われているテストのテクニックは、Part 5の問題は一問を20秒以内で解く事です。これが出来れば、Part 7の読解問題では50分の時間が取れる事になります。ちなみに、一問を30秒で解いた場合には、20分しか時間が取れない計算になります。たった10秒の差ですが、最後には大きな差になって帰って来ます。10秒で10分の差です。品詞分解の練習と語彙力を上げる努力を日頃から取り組みましょう。

Part 6 長文穴埋め問題

長文穴埋め問題は、Part 5の応用問題です。短文穴埋め問題よりも長めの文章を解く事になります。長文に、3つの問題があって一つの設問に四つの選択肢があります。3つも問題にうち、2つはPart 5と同じ様に品詞分解の能力を問う問題と、一つは長文をしっかりと読んで内容を理解しないと解けない問題になっています。

変更点②③

問題数が長文が3つから、4つに増えます。12問の60点から16問に80点に増えます。

長文にあった正しい文章を選択肢から選ぶ問題が増えます。以前もありましたが、選択肢は単語を選ぶだけでした。今回からは文章を選ぶ必要があります。

Examples of New Item Types (PDF形式)

Part 6 (ページ9)

Quesitons 131- 134

134が新しい変更

http://www.toeic.or.jp/library/new/info/img/i025/Examples_of_New_Item_Types_on_the_TOEIC_Test.pdf

新形式での高得点の勉強法

1 品詞分解の能力をあげる

Part 5でも必要な品詞分解の能力を高めて下さい。

2 スラッシュリーディングで読解力を上げる

読解力と読むスピードを高めるために必要なのが、スラッシュリーディングと呼ばれる読み方です。日本語で意味を理解する為には、英文を分解して組み立て直す必要が出て来ます。それでは時間がかかり大変です。そこで、英語の文章構造のまま、意味を理解していく読み方がスラッシュリーディングです。

主語があって、次に動詞があってからそれ以外の品詞を理解しく行く事が、簡単なスラッシュリーディングのやり方です。つまり、文章の内容が多少日本語と語順が違っていてもそのまま読み続けて内容を理解する事で、読解して行きます。

Part 7 読解問題 (Reading Comprehension)

読解問題は、TOEICでも最も難しいパートです。色々な種類の文が出て来ます。仕事のメールや、広告、新聞記事や手紙等様々な内容の読解力が試されます。読みながら文章の意味をしっかりと理解してその文章の登場人物の背景を答える問題や、その文章で触れられていない内容を答える問題等もあります。

変更点⑤⑥⑦⑧

Single passage の問題がひとつ増えて、Multiple passageの問題が20から25に増える。

設問の文を正しい場所に戻す問題がふえる。

これを答えるには、全体の文章構造をしっかりと意識して読むパラグラフリーディングの能力が必要です。

     http://www.toeic.or.jp/library/new/info/img/i025/Examples_of_New_Item_Types_on_the_TOEIC_Test.pdf

Questions 149- 152 (ページ11)

設問の文章を、正しい場所に戻す問題が増える

Question 152

複数名が参加する会話問題が増える

Question 186- 190

会話中の表現の意味を問う問題が増える

Question 148

新形式での高得点の勉強法

1 多読をする

日頃から英語を読む習慣をつける事が必要です。文法の知識はとても大切ですが、それを使う機会がなければなんの意味もありません。使う事で多くの気付きが生まれます。当然、繰り返して行く事で精度とスピードが上がります。そこで注意して欲しいのがスラッシュリーディングです。わざわざ日本語の語順に直して意味を理解しようとしては、せっかくの練習がダメになってしまうので注意しましょう。

2 パラグラフリーディングを意識する

パラグラフリーディングとは、学校などで使用されているアカデミックライティングの基礎になる方法です。文章の始めにしっかりと自分の伝えたい話題と自分の主張を提示して、その後にその考えをサポートするアイディアを提示して、最後にもう一度自分の主張を明確にする書き方です。パラグラフとは文章の段落を意味していて、段落ごとにしっかりとした役割が存在します。

文章の書き手、この場合は問題の制作者の意図をしっかりと意識しながら問題文を読む事で、問題を答える際に必要な情報を闇雲に探すのではなく、論理立てて素早く見つけ出す事が出来る様になるのです。やはり、これも訓練する事で正確さとスピードを養う事が可能です。

リスニングの変更点

前回の記事で、リスニングの変更点を解説しています。テストで短期間に劇的にスコアーを上げている受験生の多くがリスニングの点数を上げている事がとても多い事に気付きました。是非そちらも併せてご覧下さい。

オススメの記事 TOEICが10年ぶりに変わる!X Dayは来年5月29日(リスニング編)

小手先のテクニックでは通用しないTOEICのリーディング

多くの受験生を悩ませて来たTOEICのリーディングが、10年ぶりに大転換する事になりました。時間が今までの出題形式でも足りなかったのに、新しい変更点が追加される事でいままで以上に難解なテストになる事が予想されます。大学受験で必要だった英文法も使わないでいるとあっという間に消えてなくてってしまいます。寝る暇を惜しんで頭に叩き込んだ努力をこのまま腐らせてしまうのか、このTOEICの変更を前にもう一度英語に立ち向かうチャンスと捉えて英語を勉強し直すか。

間違いなく、英語を使えない人生は多くのチャンスを失う事になるでしょう。先ずはそのスタートラインに立つ為の準備としてTOEICで高得点を目指して下さい。人生は一度きり。応援しています。

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